貨物地域流動とトラック輸送 その2

このことを逆にいえば、域間流動の比率は56年度においても20%に満たないが、50年度の16.9%から56年度は18.4%と、着実にそのウエイトを増しています。

こうした動きは、産業の地方分散を反映した結果とみることができますが、さらに域間流動を大都市圏相互、大都市圏と他地域相互および他地域相互の3つの流動パターンに分類すると、とりわけ大都市一他地域相互間の流動のウエイトが増大していますことがわかります。

なお、域内流動における大都市圏相互の流動のウエイトは両年度間で27.0%から26.0%に低下していますが、域内・域間を問わず発着いずれかが大都市圏に関係する流動のウエイトは、同様に39.1%から39.5%に上昇しており、京浜葉、中京、阪神を中心とする地域の重要性を浮き彫りにしています。

つぎに、地域流動の輸送機関分担状況をみると、域内と域間流動では大きな相違が認められます。

域内輸送の主役はトラック中古車で、そのシェアは50、56年度とも95%台に達しています。

これに対して域間輸送では、トラックと内航海運で大部分のシェアを占めており、56年度はそれぞれ54.7%、39.2%となっています。

域間輸送においてもトラックの進出がめざましく、50年度に比べて8ポイントもシェアを増大させています反面、内航海運は逆に4ポイント近い低下と対照的な動きをみせています。

貨物地域流動とトラック輸送

57年度の輸送トン数の伸びが同じマイナスとはいえ、対前年度比で中古車トラック の1.1%減に対して鉄道10.2%減、内航8.7%減と大きな格差を生じたのも、こうした輸送品目における機関分担の特徴によるところが大きいです。

ちなみに、金属、セメント、石油・石炭、化学肥料の57年度の生産は、軒並み前年度水準を5%以上下回っています。

二度にわたる石油危機をはさんで、日本の産業構造は素材型産業から加工型産業へ、それもより高度な分野へとそのウエイトをシフトしつつあるが、これに伴って産業の地域配置にも変化が生じつつありました。

こうした産業構造および産業の地域配置の変化が、貨物の地域流動に影響を及ぼすことはいうまでもないでしょう。

運輸省の「貨物地域流動調査」により、日本全国を23地域に分割したうえで、貨物流動を域内流動と域間流動に分けてみると、域内流動の比率は両年度とも80%を越えており、大部分の貨物が県内や隣接県の間で動いていますことがわかります。

シェア高まるトラック輸送

国内航空を除く鉄道、トラック、内航海運のなかでは、トラックが最も堅調な動きを示してきました。

輸送機関別分担率の推移をみると、鉄道はトン数で50年、度の3.7%から57年度には2.4%へ、トンキロで同様に13.1%から7.4%へと大きく低下しており、同様に内航海運もトン数で9.0%から7.6%へ、トンキロで50.9%から47.6%へと後退しています。

これに対してトラックの分担率は、トン数で50年度の87.3%から57年度には90.0%へ、トンキロでも同様に36.0%から45.0%へと着実にそのシェアを高めています。

もっとも、トラックを営・自別にみると、このシェアの上昇がもっぱら営業用トラックによってもたらされたものですことがわかります。

つぎに、57年度実績で品目別に輸送機関分担率をみると、各品目の輸送トン数に占める中古トラックのシェアが90%以上に達していません品目は金属、セメント、石油・石炭製品、化学薬品・肥料、紙・パルプのみです。

このことは、逆にいえば鉄道や内航海運の得意とする輸送分野が素材型産業関連の貨物輸送を中心とする分野に限定されていますことを示しています。

自家用トラックの不振

内航海運の輸送量は、大宗貨物と呼ばれる素材型産業関連貨物の荷動きが停滞気味なことから、ここ2~3年は減少基調で推移しており、57年度は4億3,758万トン、1,981億トンキロでそれぞれ同8.7%減、同6.5%減となりました。

国内航空は50年代に入ってからも年平均伸び率を2ケタ台に維持しています唯一の輸送機関ですが、57年度はトン数で同8.7%、トンキロで同10.0%の伸びとなり、国内貨物輸送量全体が減少していますなかで、依然として高い伸びを示しています。


ここで、57年度の輸送量の伸びに対する輸送機関別(航空を除く)の寄与度をみると、やはり営業用中古車トラック の健闘がめだつが、トン数では自家用トラック、トンキロでは内航海運の不振がとくに総輸送量の足を引っ張ったといえるでしょう。