世界初の内燃機関
つまり都市の上下水道設備の完備していないドイツでは、少くとも大型蒸気機関は使えなかった。
どうしても水に頼らぬ小型で能率のよい定置用の原動機が必要となった。
スウェーデンの技師でアメリカに帰化したジョン・エリクソンは、シリンダー(気筒)の内部に高温の空気を送り込んでピストンを動かすヒート・エンジンのアイディアを発表した。
一八○○年ごろのことである。
その考案を生かして、ガス灯用の石炭ガスを気筒内で爆発させて動力を発生させるガス・エンジンの特許を取得したのが、フランス人のエティエンヌ・ルノアールで、一八六〇年一月二四日のことである(特許No.43624)。
これが世界初の内燃機関ということになる。
それはまさに、今のトラック中古車などの輸送にかかわる自動車の登場するきっかけとなり、物流がさらに速くなる原動力となるのである。
ルノアールはこのガス・エンジンの製作を企業化し、工場用の定置エンジンの生産にあたりかなりの成功をおさめた。