日本車が支持される理由
「かなり後の話になりますが、北欧でも同じようなことがありました。
昭和46年ごろですが、フィンランドやノルウェーに日産自動車のチェリーを輸出した時のことです。
初めのうちは北欧の低温のためヒーターがきかず問題を起しましたが、技術陣が直ちに現地の実情によく合った強化ヒーターを製造したため、現地から『チェリーは世界で一番ヒーターがよくきく暖かい車だ』との評判を得ました。
こういうふうに、現地のユーザーの声をよく聞いて、そのニーズに合わせたところに、日本車の輸出がよく伸びた理由の一つがある、と確信します」
現在、自動車だけにとどまらず、多くの商品について、日本の国際競争力が強いのは、日本の商品の値段が相対的に安く、品質がよいからだ。
特に中古車トラックのような車も質がいいのでそれなりの値段が付くのだ。
しかしそれだけではない。
デリバリー(商品引き渡し)の速さ、修繕や部品補給などアフターサービスのよさ、ユーザーのニーズに合わせたキメの細かい配慮、などの非価格競争力の点でも日本の商品は非常に勝れている、といわれる。
このような"伝統"は、日本人の勝れた国民性の一つであり、前述の日産自動車の輸出に見られるように、終戦後、まだ間もない苦難時代のころに多くの人たちによって粘り強く培われたものである。